オリガ@さらさちゃんは最後までオネーギンと踊ることを選んだ。
 1曲終わりレンスキー@ひろみちゃんが誘う。
 でもオリガはオネーギンと踊る。
 最後の曲になりレンスキーがオネーギンに怒りを剥きだしにしても、それを嘲笑してオネーギンと踊る。
 
 それは単なる気まぐれ。
 レンスキーのことを嫌いになったわけじゃない。
 珍しい都会からきた素敵な男性と踊りたいだけ。
 たまには変わったことがしてみたい。ほら、私あなた以外の人とも踊ったりするのよ。妬いちゃうかしら?…ばかねぇ。

 その気まぐれがレンスキーの闇を呼び起こしてしまうんだ。

 人にはふさわしい場所というものがあると思う。
 現実にはサブリナのように月に手が届くことなんてないんだ。
 でも私がオリガだったら少しだけ手を伸ばしてみたいと思うだろう。
 手に入らないと分かっている。でも、そこにあるんだもの。ひと時触れるくらい、そのくらいは構わないんじゃないかしら?
 それすらも許されなかったオリガが自分と重なって切なかった。苦しくなった。
 たった一夜、気まぐれで踊ったダンスが恋人の死を招くなんて…。
 (どこの最後のダンスだ?)

 レンスキーは何故オネーギンに近付いたんだろう?
 自身の破滅を予想出来なかったんだろうか?
 厭世的な生き方しかできないオネーギンに自分の心豊かな生活を見せつけたかったのかしら?
 一般的に恵まれている人に対して、私は貧しいけど愛のある生活をしているわ的な優越感の抱き方はままあることで。
 可愛くて無邪気で純粋なフィアンセとつつしまやかだけどオネーギンが持っていない幸せを持っている、そうレンスキーは小さな優越感を抱いていたのかも。
 オリガはレンスキーの闇を知らないで付き合っている。
 もしかしたらレンスキー自身も自分の闇を知らなかったのかも。

 レンスキーの死後、オリガの出番は無い。
 ただ伝聞として軍人と結婚した、とあるだけで。
 オリガはどうなったんだろう?
 一生罪を背負っていくのだろうか?
 自分の男運のなさを嘆いて悲劇のヒロインとして生きていくのだろうか?
 それがとても気になる。

 たった一晩の気まぐれ。
 それすら許されない救いのなさがとても怖く感じました。
 
 選ばれた人は私ではなく、変わり者だと言われ続けた姉だった…。

 そして引き金を引いたオネーギンの人生にとって、二人は何でもなかったということ。
 それがまた怖くてたまらなかった。
 
 気まぐれでオリガを誘い、何故レンスキーがそこまで怒り狂うのか理解出来ないまま周囲に押し切られて決闘を受ける。
 同時に引いたはずの引き金はレンスキーにだけ死を与えた。
 おそらくオネーギンはレンスキーの心を全く理解していない。
 自分の行動がこういう結果を招いたことも理解していないように思う。
 命を失っても理解すらされない。

 私は、オリガとレンスキーの側にいる人間だから。
 何手残酷な物語なんだろうと思いながら観ていました。

 上手く書けなくてくやしいですが。

コメント

nophoto
hanihani
2010年11月11日11:13

もう一つコメントつけます。

オリガの気持ちって理解できますよね。
あとちょっと垢抜けなくて読書家の姉と比べて
可愛くて、明るくてなんというか親しみやすいタイプな妹

しかも先に彼氏が出来ちゃってるから妹なんだけど余裕もあるという
そんなオリガをさらさちゃんが実にうまく作り上げていたんだと思います。

で、これはひろみちゃんのお姉さんが観に来てダメ出ししたらしいのですが
(宝塚ファン歴の浅い方はご存知ないかなぁ?)
ひろみちゃんのレンスキーの作り込みが浅いと言われていたらしい。
もっとひろみちゃんのレンスキーが無邪気なやつなんだけど
その人生をふわふわして生きる様が、色々なことを深く考える力のある
オネーギンにはウザイヤツ!と思わせる演技をしなくちゃだめと。
突然キレルところも、役作りとしてはすごく美味しい場面を頂いているのに
それをちゃんとこなせてないと言われていたらしい。

せうこさんに色々迷わせてるのってレンスキーの役作りの甘さにも一因があるかも。

*snoco
2010年11月11日13:29

コメントありがとうございます。

えーそうなんですね。
さえこさんからダメ出しがあったんですね。
私にはレンスキーの方が色々考えているように見えちゃいましたw
オネーギンがレンスキーに対して無関心に見えたのは
ひろみちゃんの役作りの問題もあったのでしょうか…。
私の中ではひろみちゃんは何をやってもひろみちゃんな気がしてます…。